最終更新日:2022.1.25
寝苦しかった夏も終わり、過ごしやすい秋を迎えるこれからの季節は「秋の夜長」を楽しみたいものですよね。秋の夜長の定番といえば読書ですが、デジタル時代の現在は読むのではなく「聴く」のが新しい読書の形かもしれません。
文字を読む本の魅力は、自身が作り出した仮装空間の中を物語が進行していくことにあります。原作本を読んで映画を観ると、自身が描いていた映像と映画の中の映像や、心理描写などに違和感を感じることが少なくありませんよね。
オーディオブックに代表される「耳で聴く本」は、その朗読者によって作品が左右される側面もあります。一方で、その朗読者自身の世界観が魅力となっっている場合も少なくありません。136(イサム)氏が朗読する「怪談朗読」が正にそれです。
一度聴いたらクセになる136氏と怪談朗読おすすめシリーズ2つ!
136(イサム)氏のプロフィール
職業:朗読好きサラリーマン
性別:男性
年齢:30代後半
朗読本数:約6,100話以上
youtube総再生回数:1億1700万回以上
136(イサム)氏は大学生の頃から朗読の配信を始めて14年目ということですので、年齢は30代後半くらいではないでしょうか。また136(イサム)氏の朗読は漫画家さん達のファンが多く、136(イサム)氏はそれが朗読のモチベーションとなっているのだそう。サムネも、そんな漫画家さんに描いてもらったようです。
おすすめ①師匠シリーズ
【未】大学一回生の冬。僕は北へ向かう電車に乗っていた。十二月二十四日。クリスマスイブのことだ。零細興信所である小川調査事務所に持ち込まれた奇妙な依頼を引き受けるために、バイトの加奈子さんとその助手の僕という、つましい身分の二人で、いつになく遠出をすることになったのだ・・・・
【保育園】師匠と僕は市内のとある保育園に来ていた。子どもの声のしない休日の保育園はやけに静かで、こんなところに入っていいのだろうかと不安な気持ちになる。二階建ての園舎の一階、その中ほどにある部屋で僕らは座っていた。床は畳ではなくフローリングで、開け放した園庭側のガラス戸から暖かな風と光が入り込んできている・・・
師匠シリーズの登場人物
僕:この物語の語り部で、作者のウニ。地方大学の1年生。多少の霊感あり。
師匠:僕が通う大学の大学院生。強い霊感を持つオカルトマニア。
歩く:師匠の彼女。大学3年生。
京介:ネットのオカルトフォーラムの住人。21歳の女性
音響:オカルトフォーラムの住人。ゴスロリが趣味の中学生の女子
加奈子:僕の師匠の師匠。師匠の思い出話しに度々登場する強い霊感を持った女性。
師匠シリーズは、ウニ原作によるオカルト短編小説です。師匠シリーズは2チャンネルのオカルト板などに2003年から投稿していたもので、自身をモデルにした「語り部」が大学で出会った「師匠」と呼ばれる先輩とのオカルト体験を描いた人気シリーズとなっています。特に、加奈子さんが登場する師匠シリーズがおすすめ。
おすすめ②夜行堂奇譚シリーズ
【獣の話】その骨董店は奇妙な店だった。路地裏のおよそ人気のない場所にひっそりと佇むようにして店を開いていて、看板を出すわけでもなく、店の名前を紙に墨で書き殴った紙がなければ、およそなんの店かわからない。学生時代、偶然雨宿りに入った私は、その店で気味の悪い木の面を預かることになった・・・・
【幽黄昏迷】私の家は経済的に裕福な方ではなく、大学は奨学金を使ってなんとか入ることが出来たが、生活費はすべてバイトで稼ぐしかなかった。バイトの掛け持ちは当たり前、大学にいない時間の殆どがバイトに費やされた。大学生というと遊んでばかりというイメージがあるだろうが、私はその例に漏れるという苦学生だった・・・
夜行堂奇譚シリーズの登場人物
夜行堂:物と人を繋ぐ曰く付きの物を扱う骨董店
夜行堂の女主人:妖艶で美しい容姿の女主人。名は特にない。
千早:事故で肘から先を失った右腕で怪異に触れることができ、怪異が視ることができるようになって右目の視力を喪った若者
大野木:県庁職員
「夜行堂奇譚(やこうどうきたん)シリーズ」は、嗣人(つぐひと)氏原作の骨董店「夜行堂」を舞台とした群像劇。不思議でどこか心地よい、時に恐ろしいその世界観が魅力の作品です。尚、夜行堂奇譚すべてのお話に「夜行堂」が登場するわけではありません。
● 136(イサム)氏の過去ログを整理したファンサイト
● 136(イサム)氏のyoutubeチャンネル
【番外編】怖い話なのに涙が出てくる話2本
136氏の朗読は「怪談朗読」の名の通り怖い話の朗読なのですが、怪談話なのに涙が出てくる話もあります。136氏自身も読みながら泣けてくると公言している朗読2本をご紹介しましょう。
【師匠シリーズ】将棋
【将棋】師匠は将棋が得意だ。もちろん将棋の師匠ではない。大学の先輩でオカルトマニアの変人である。俺もまたオカルトが好きだったので「師匠」「師匠」と付きまとっていた。大学1回生の秋に師匠が将棋を指せるのを知って勝負を挑んだ。俺も多少心得があった。しかし結果は惨敗。1週間後パソコンソフトで感を取り戻した俺は再挑戦のために師匠の下宿へ乗り込んだ・・・
【くらげシリーズ】雪村君
【雪村君】私が小学校6年生だった頃の話だ。その年の冬、太平洋に近い町に雪が降り、いく年か被りに数十センチ積もった。朝起きると窓の外の景色がいつもと違う。例年にない積雪に大人たちは迷惑がっていたが、子供たちはほとんど生まれて初めての真っ白な世界に胸を躍らせ、私を含め実際小躍りした・・・
終わりに
今回は秋の夜長にピッタリな136(イサム)氏の怪談朗読の中から、おすすめの2つの人気シリーズを紹介してみました。136(イサム)氏の独特の声と原作の世界観がピッタリとあって、私にとっては毎日の睡眠に欠かせないBGMとなっています。
また、長距離移動の際の車内のBGMとしてもおすすめです。最近は136(イサム)氏以外でも同じような朗読をされる方がユーチューブでも増えてきましたが、136(イサム)氏は一度聴いたら癖になる声が大きな魅力です。また朗読中は一切、広告が挟まれることがないのも地味にポイントが高いところですね。
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