最終更新日:2023.2.24
ダイエットは運動を併用することで、その効果を加速させることが可能です。しかし、運動やトレーニングを継続することもまた大変です。運動なしで痩せるには、食事の制限をするしかありません。
食事制限の中でも、脂質を制限するのが最も簡単です。脂質を控えるだけなので難しくありません。といっても脂質制限を始める前には、事前に知っておくべきポイントがあります。
そこで、こちらの記事では脂質制限は具体的にどのようなダイエット方法で、どんなメリットやデメリットがあるのか。また、どうやって始めれば良いのかなど、最も簡単で確実な脂質制限ダイエットについてまとめています。
脂質制限ダイエットとは?
三大栄養素の1gあたりのカロリー | ||
---|---|---|
糖質:4g | 脂質:9g | タンパク質:4g |
脂質制限ダイエットは三大栄養素の中の脂質をなるべく摂取しないことで、体脂肪の減少を目指すダイエット法です。この三大栄養素とは、タンパク質、脂質、炭水化物のことですが、1g当たりのエネルギー量(カロリー)が異なるのが特徴です。
脂質は三大栄養素の中で最もエネルギー量(カロリー)が高いため、脂質を抑えることでダイエット効果を得られるというわけです。なので、今までの食事から脂質を制限するだけで、摂取カロリーが減り体重も落ちやすくなる特徴があります。
但し、脂質制限ダイエットはその効果を実感するまで一定の時間が必要になります。個人差はありますがほとんどの場合で、1週間程度の時間経過と共に体重の減少があります。
脂質制限ダイエットのメリット
● カロリーカットが簡単
● 炭水化物は我慢しなくて良い
脂質制限ダイエットには上記のようなメリットがあります。脂質は1gあたりのカロリーがとても高いので、簡単にカロリーカットが行えます。極端に制限しなくても良い効果的なダイエットとなります。
また、お米や麺類が好きな人は炭水化物をしっかり食べられるから、脂質制限にそれほど辛さを感じることがありません。脂質制限ダイエットは空腹感を伴いますが、炭水化物は腹持ちが良いので空腹を感じ難いです。但し、ラーメンやパスタ、カツ丼のように油と一緒に調理するものは控える必要があります。
脂質制限ダイエットのデメリット
● 外食は難しい
● 体重減少は緩やか
脂質制限ダイエットは自炊のみと割り切る必要があるかもしれません。外食は脂質を多く含むメニューばかりだと言っても良いくらいに、外食メニューの中から脂質の少ないものを探すのは困難です。
そして、ヘルシーなイメージがあるサラダも、ドレッシングの油を気にする必要があります。外食で好きなメニューを選ぶのは、なかなかに大変です。なので、脂質制限ダイエット期間は外食はしないと割り切るスタイルが良いかもしれません。
また、脂質制限ダイエットは糖質制限と比べて、その効果は緩やかなものとなります。糖質制限ダイエットは一気に糖質をカットしますが、脂質は必ず摂取しなければならない栄養素なので極限まで減らすことができません。
なので、脂質に大きく傾いた食事を行なっているような人は別として、一般的な食事をしている場合は効果が現れるまでのスピードは緩やかなものとなります。
脂質制限ダイエットのやり方
● 目標体重を決める
● 期間を決める
● 1日の摂取カロリーを決める
● PFCバランスを決める
● 食事を管理する
脂質制限ダイエットに限らず、ダイエットは計画性を持って始めなければ成功しません。まずは、目標体重を決めてダイエット期間を決めてください。ダイエットはダラダラとやっても成功しません。必ずダイエット期間を決めてから始めましょう。
それでは、具体例を挙げてご紹介していきます。ここでは、無理なく脂質制限ダイエットが行えるように、1ヶ月間で2kgのダイエット目標としていきます。
1日の摂取カロリーを決める
● 体脂肪2kgを減らすカロリー数:14,400kcal(7,200kcal×2)
● 1日に減らすカロリー数:480kcal(14,400kcal÷30)
ダイエットの基本は「摂取カロリー<消費カロリー」とすることです。今までの摂取カロリーを減らして、消費カロリーが上回る食生活を送る必要があります。
体脂肪1kgを減らすために7,200kcalの消費が必要です。なので、1ヶ月間で2kgのダイエットをする場合は、1ヶ月で14,400kcalの消費が必要となります。また、その場合の1日分のアンダーカロリーは480kcalとなります。
つまりは1ヶ月に2kgのダイエットをするためには、1日約480kcalを減らす計算になります。仮に、体重維持に必要なカロリーが2,000kcalであれば、1日の摂取カロリーを1,500kcal程度に設定する必要があるということです。
但し、そもそもの1日の摂取カロリー数が大きく超過しているような場合は、480kcal分を減らしたからといってダイエットできる訳ではありません。なので、自身の現体重における正確なエネルギー必要量(基礎代謝)を把握する必要があります。
「自分の体重維持に必要なカロリーが分からない」という人は下記の表を参考にしてみてください。尚、下記の表は運動を行なっていない人の1日の必要カロリー数となっていますので、定期的に運動を行う人や肉体労働的な活動レベルが高い人はこの限りではありません。
【体重1kg当たりの推定エネルギー必要量】
性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
18〜29(歳) | 35.5 | 33.2 |
30〜49(歳) | 33.7 | 32.9 |
50〜64(歳) | 32.7 | 31.1 |
* 自分の年齢や性別に当てはめて、ご自身の体重を掛け合わせて算出してください。
PFCバランスを決める
P(protein)タンパク質:40%
F(fat)脂質:20%
C(carbohydrate)炭水化物:40%
PFCバランスとは摂取する三大栄養素の割合のことですが、脂質制限時のPFCバランスは上記のバランスが最適だとされています。具体的な例でご紹介していきます。
30代女性、体重60kgの人が1ヶ月に2kgのダイエットを行う場合、1日に摂取するPFCバランスとカロリー数は次のようになります。
● 推定エネルギー必要量:1,974kcal(32,9×60)
● 1日の摂取カロリー:1,494kcal(1,974kcal−480kcal)
P:1,494kcal×0.40(40%)=597.6kcal
F:1,494kcal×0.20(20%)=298.8kcal
C:1,494kcal×0.40(40%)=597.6kcal
また、上記カロリー数をグラム数に変換すると次のようになります。
● 糖質1g:4kcal/脂質1g:9kcal/炭水化物1g:4kcal
P:597.6kcal÷4g=149.4g
F:298.8kcal÷9g=33.2g
C:597.6kcal÷4g=149.4g
上記の場合、1日の摂取カロリーが1,494kcalで、PFCバランスは149.4g:33.2g:149.4gとなり、脂質量は33.2gに抑える必要があるということです。但し、これらの数字は目安と捉え神経質になることなく続けることが大切です。
食事を管理する
1日の摂取カロリーとPFCバランスを決定したら、上記のグラム数を参考にしながら日々の食事管理をしていきます。基本的な考えとして揚げ物や炒め物を避けながら、炭水化物を主食とする食事を送りましょう。
具体的にはお米や蕎麦、うどんを主食にして、鶏肉や魚メインの料理を組み立てていくと良いでしょう。揚げたり炒めたリするのではなく、「茹でる」「煮る」などの調理方法がオススメです。
尚、日々の食事のカロリーや脂質量を管理することが継続のモチベーションともなりますので、しっかりと摂取カロリーや脂質の管理を行いましょう。但し、面倒な計算が苦手な人は管理が簡単なアプリ等を使ってみるのもオススメです。
● 「カロリDiet」カロリー計算&ダイエット記録サポートアプリ
避けたいものと食べて良いもの
避けたいもの | 食べて良いもの |
---|---|
● 肉の脂身 ● 鶏肉の皮 ● 揚げ物 ● 炒め物 ● ファストフード ● スナック類 ● カップ麺 ● パン全般 ● ケーキ・ドーナツ ● ナッツ類 ● チーズ・バター ● マヨネーズ |
● 白米 ● うどん・蕎麦 ● そうめん ● 豚ヒレ(赤身) ● 牛ヒレ(赤身) ● 鶏肉(皮なし) ● 魚貝類全般 ● 野菜・キノコ類全般 ● 和菓子 ● フルーツ ● ケチャップ ● ソース |
脂質制限ダイエットで避けたい主な食材と食べて良い食材は上記の通りです。基本的に油が使われる揚げ物や炒め物などは極力避けることが無難です。逆に、揚げたり炒めたりしない料理は問題ありません。生で食べられるものや料理も同様に問題なしです。
また、外食や惣菜もなるべく避けるようにしてください。これらの料理や食材は脂質が大量に含まれるため、その日の努力を無駄にするパワーを秘めたものとなるので特に注意しておきましょう。
脂質制限ダイエットは食べてはいけないものばかりではありません。油物さえ避ければそこまで気にすることはないのではと思います。白米などの炭水化物の制限もありません。牛や豚なども脂身を避ければ問題ありません。
また、魚貝類は全般に脂身を気にすることなく食べて問題ありません。魚に含まれる良質な脂(オメガ3)は積極的に食べたい食材です。特に生で食べられる刺身などはタンパク質も豊富で体作りのためにも優秀な食材の一つです。
脂質制限が向いている人
● 空腹感を耐えられる
● 炭水化物を我慢できない
● 自炊している
● 調理方法を変えられる
脂質制限が向いている人は「ダイエット」は我慢するものと考える人です。脂質制限ダイエットは空腹との戦いといった側面が多々あります。というのも、脂質を多く含む食べ物は美味しいものばかりだから。
脂質はカロリーが高いから満腹感がありますが、脂質を抑えると必然的にさっぱりとした食べ物になりがちです。なので、空腹感があります。この空腹感を我慢できる人なら脂質制限は成功します。
また、炭水化物が食べられるなら満足という人も脂質制限するのは向いています。空腹感を感じることがありません。外食が少なく普段から自炊している人も同様に、脂質制限ダイエット向きだといえます。
とはいえ、これらの脂質は全てカットするのではなく、今よりも意識して減らしていけばOKです。たとえば、脂質を多く含んだ食事をしたい場合は、活動量が多いお昼の食事にすることでも大丈夫です。
また、自炊される環境であれば食材や調理法を変更してみましょう。ロースやバラ肉をヒレにしたり、鶏肉は皮を剥いで使ったり、揚げ物を煮込みにするといったように、食材の部位や調理法を変えることができる人は無理なく続けることができるのではと思います。
● 空腹感が辛い人向きのダイエット法「ケトジェニックダイエットのやり方を詳しく解説!始め方から注意点まで!」を読んでみる
まとめ:脂質制限ダイエットは脂質をちょっと意識するだけ
脂質は知らず知らずのうちに摂取しがちです。知らない間に脂質を過剰摂取している場合がほとんどです。こちらのページでは、脂質制限ダイエットについてまとめてみましたが参考になったでしょうか。
脂質制限ダイエットは比較的簡単なダイエット法なので、今の食生活をちょっと意識する程度で問題ありません。極端に制限するダイエットではありません。カロリーが高い脂質を制限するからカロリーカットも簡単です。
ダイエットはシンプルです。消費カロリーに対して、摂取カロリーが少なければ必ず成功します。但し、継続が絶対条件です。また、計画を立てることも重要です。
「計画を立てて、食事内容をちょっと見直す」どうです?簡単な感じがしませんか?さらに、ちょっとの運動をプラスしてあげれば完璧です。
● 【全国対応】オンラインダイエット5選|タイプ別の比較とランキングを見てみる
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