最終更新日:2022.8.24
サーフィンはすべてのスポーツと呼ばれるものの中で、最も上達が遅いスポーツだと言って良いでしょう。海の中で邪魔にならないレベルに到達するまでに、最低でも週一で海に通って3年ほどの時間を覚悟する必要があります。
サーフィンを始めたほとんどの人がこの段階で脱落してしまいます。「昔、サーフィンをやったことあるよ」と言われる人は例外なく、この脱落者だと思って間違いありません。
あなた「覚悟して来てる人」…ですよね。人を「始末」しようとするって事は、逆に「始末」されるかもしれないという危険を常に「覚悟して来ている人」ってわけですよね…。
●ジョジョの奇妙な冒険part5 ジョルノ・ジョバーナのセリフより引用
サーフィンを特にショートボードで始めたいと思われる人は「覚悟して来てる人」になれるかどうか?これが結構、サーフィンでは大事だったりします。
避けては通れない!サーフィンに必要な3つの覚悟
● とにかく時間を覚悟する
● それなりのお金を覚悟する
● 弱肉強食の世界を覚悟する
あなたが本気でサーフィンを始めたいと思ったのであれば、上記3つの覚悟を決める必要が発生する恐れがあります。いや、例外なく上記の覚悟が発生するはずです。
あなたの陸上での地位やスキルはまったく関係ありません。サーフィンを始める人のすべてに共通するものです。あなたの仕事や家庭環境、さらに居住する地域によっては、その他の覚悟も必要になることもあるかもしれません。
とにかく時間を覚悟する
● 600時間(週一2ラウンド)
● 150日(年間50日)
サーフィンはとにかく上達が遅いスポーツです。決して運動オンチではない、スポーツ経験のある極一般的な人でも、どう頑張っても3年は必要です。それも、海の中で他のサーファーの邪魔にならないレベルに到達する程度でです。
サーフィンの難しいところは他のスポーツとは違って、反復練習というものができません。ウェイブプールでもない限り、同じ波が2度と来ないからです。さらに、波がないとできない上に、波があったとしても、その波を自分が取れる保証が一切ありません。
ショートボードで初級者から脱却するとして邪魔にならない程度になるまで、大体300ラウンド前後(体感的にも同意)は必要だと言われています。仮に1ラウンド2時間だとしても600時間前後の時間が必要です。
日数に直すと1日2ラウンド4時間やったとしても、150日前後の日数が必要となります。年間50日(約週一2ラウンド)海に入ったとして3年間です。毎週末、海に行けても波があるとは限りません。そうなれば当然、3年間では到達できない場合もあるでしょう。
また、サーフィンで必須となるパドリングは日常生活ではあまり使わない上腕三頭筋や三角筋(肩)を酷使します。なので、当然その部位の筋肉がなければテイクオフもできません。
同じ横乗り系のスポーツであるスノボーやスケボーと比べても、サーフィンが極端に難しいとされるのは相手が波であることと、スノボーやスケボーでは使わない筋肉が必要となるからだと思われます。
サーフィンはとにかく上達の速度が遅く時間が必要な、ある意味修行のようなスポーツです。まずは、サーフィンにはとんでもなく時間がかかるということを覚悟しておきましょう。
それなりのお金を覚悟する
● クルマ
● 交通費(ガソリン代)
● ボードやウェットスーツ等
ビーチフロントの恵まれた環境以外の人はもれなくクルマが必要です。また、それに伴うガソリン代も必要です。サーフィンは基本的に田舎へ行って楽しむスポーツです。なので、満足な交通機関などはありません。それに、ボードやウェットを抱えてバスや電車を利用することは現実的ではありません。
サーフィンはサーフボードがなければできません。また、年間を通してサーフする場合には、夏用から冬用までの最低3タイプのウェットスーツが必要です。サーフボードとウェットスーツ等、それなりのお金が必要となります。
特にこれまでのあなたの休日が、まったりと自宅で過ごすことが多かった場合には大きな変化となります。サーフィンを始めることで、新たなクルマの購入等を含めた、それなりの金銭的な出費の覚悟も必要になるでしょう。
弱肉強食の世界を覚悟する
実はサーフィンを始めるにあたって、最も覚悟を決めなければいけないことがコレではないかと筆者自身は思ってます。サーフィンに限らず、どんなスポーツや趣味でも時間とお金は必要です。サーフィンだけが特別ではないかもしれません。
但し、サーフィンは「弱肉強食の世界」だということを覚悟する必要が絶対です。そこに理由はありません。初心者のあなたが一人だけでサーフィンできる場所は、この日本にはないと思っていた方が良いです。
波はあなたの奥にいる上手い人が取っていきます。初心者サーファーのあなたは逃げ惑うだけの存在にしかなりません。強者が弱者を喰う弱肉強食の世界がサーフィンには存在します。というか、これがすべてです。どうしようもありません。
あなたの陸上での地位やスキルは、仲間内だけのサーフィン以外では何の関係もありません。サーフィンはシンプルです。自身のサーフィンスキルを上げる。ただこれだけが弱肉強食の世界を生き抜く手段となるでしょう。
とはいえ、サーフィンの技術的なスキルだけがサーフィン界の弱肉強食の世界を渡り歩く手段でもないかもしれません。サーフィンを始めると周りを見る眼が養われます。「このポイントでは誰に注意するか」「この時間帯は空いているな」など、サーフィン技術以外のスキルが自然と身についてきます。
この、あなただけの感覚は自身を助ける大きなスキルとなるものです。なにも弱肉強食の世界は強者に立ち向かうだけがその術ではありません。時にはハイエナのような立ち回りが必要な場面もあるものです。
初心者の頃はとにかく周りをよく見るということを意識してみてください。そうすることがあなたのサーフィンをハッピーなものにしてくれます。また、あなたのステップアップを大きく手助けすることに繋がるのではと思います。
サーフィンは後戻りしない
サーフィンはとても上達が遅いスポーツですが、サーフィンを始めて出来るようになった事は、出来なかった頃のあなたに戻ることはありません。例えばテイクオフが出来るようになったら、テイクオフが出来なくなることはないということです。
サーフィンでは何かの技や動作を出来るようになると、ステップアップしていくことはあっても後戻りすることがありません。不思議ですが実際にそうです。
サーフィンは同じ条件での反復練習ができませんが、一度体で覚えた動作や技は次も出来るようになるから不思議です。今日の自分は確実に昨日の自分を超えているのです。
上達の遅いサーフィンでも、自分だけが気付ける進歩というものが、毎回のようにあるのがサーフィンの魅力かもしれません。サーフィンにハマる人の多くが、この「サーフィンは後戻りしない」という特性に助けられているのは間違いありません。
まとめ:サーフィンは覚悟が必要だが後戻りしない
サーフィンは独特の世界観といものがあります。サーファーの知り合いが周りに居ないような場合には、ちょっとやってみようと思うには敷居が高そうなイメージがサーフィンにはあるでしょう。
サーフィン歴25年以上の筆者が始めた当初は、今よりも閉鎖的でオープンな状態ではありませんでした。それを思えば、今は随分とサーフィンが一般に浸透してきているように感じます。
と同時に、これからサーフィンを始めたいと思われる人も多いのではと思います。しかし、サーフィンを始めた人の90%が挫折していく現実があります。それは、そこに「覚悟」がないからです。
筆者自身はロングボードのことは分かりません。ロングボードに「覚悟」が必要なのかもわかりません。しかし、ショートボードでサーフィンを始める場合には「覚悟して来てる人」になることを強くオススメします。
但し、覚悟を決めたあなたには、素晴らしいライフスタイルが待っていることをお約束します。サーフィンがあなたの生き方をも変える素晴らしいスポーツとなることは間違いないでしょう。
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