最終更新日:2021.11.30
サーフィンを始めようと思ったり、サーフィンを始めた人の多くが、「海は誰のものでもない」とは思っていても、サーフィン特有の文化に触れることで、違和感を覚える人が多いのではないでしょうか。
サーフィンは独特の雰囲気と独特の文化を持った、一般的にはちょっと理解し難い側面を持ったスポーツです。その根底にあるのがサーフィン特有の「ローカル」の存在です。
もしかするとサーフィンをスポーツと捉えることに、そもそもの問題があるのかもしれません。こちらのページは、サーフィン歴25年の筆者が感じるサーフィンについてのコラム的な記事となります。
【大原則】サーフィンは村社会の典型です
村社会(むらしゃかい)とは、集落に基づいて形成され、有力者を頂点とした序列構造を持ち、古くからの秩序を保った排他的な社会を指す。同類が集まって序列をつくり、頂点に立つ者の指示や判断に従って行動したり、利益の分配を図ったりするような閉鎖的な組織
● 引用元;Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/村社会
サーフィンは村社会に例えるとわかりやすいでしょう。上記の内容をサーフィンに当てはめると、次のように解釈することができます。
「サーフィン(ローカル)とは、ポイントに基づいて形成され、ローカルを頂点とした序列構造を持ち、古くからの秩序を保った排他的な社会を指す。ローカルサーファーが集まって序列をつくり、頂点に立つ者の指示や判断に従って行動したり、波の分配を図ったりするような閉鎖的な組織」
サーフィンの世界、特にローカルに対して実に的確に言い得ているのではと思います。端的にサーフィンを一般社会に例えると、典型的な「村社会」となります。この解釈は世界中のサーフポイントに当てはまるのは間違いありません。
基本的にサーファーには2つの区分があります。「ローカルサーファー」と「ビジターサーファー」の2つです。どのサーフポイントにも、必ず「ローカルサーファー」が存在しています。
次に、サーフィンはそのサーフポイントのロケーションも、サーフィン特有の文化に影響を与えているのも確かです。というのも、サーフポイントは湘南を除けば、ほとんどが例外なく田舎の海となります。
この2つのサーフィン特有の条件が、サーフィン独自の文化を形成しているのではと感じます。つまりは、一般社会で言うところの「村社会」を形成するのではということです。
サーファーの本音
サーフィンをメジャーにしたい ≠ サーファーには増えて欲しくない
東京オリンピックの開催でメジャースポーツの仲間に片足を入れたかもしれないサーフィンですが、業界関係者以外の多くのサーファーは「メジャーにはしたいが、サーファーが増えるのは…」と思っているサーファーがほとんどなのではと思います。
そこには、サーフィンを行うフィールドに問題があるからです。サーフィンは他のスポーツのように、決まったコートやフィールド、参加プレイヤーの人数等の制限がありません。
例えば、サッカーや野球のように決まった場所と、決まったプレイヤーというものがありません。テニスやゴルフ等でも、その時間を利用できる人であれば、初心者や上級者を問わず楽しむことができるハズです。
しかし、サーフィンはそのポイントに入るための決まりや制限がありません。ポイントによっては週末毎にポイントパニックとなることも珍しいことではないでしょう。
そうなると当然、掴める波の本数にも影響するでしょう。または、その日の一番の波を掴むことは、ほぼ不可能かもしれません。そこには、ストレスが生じてくることになります。
では、一般スポーツのようにそのフィールドに対して、ゴルフのようにお金を払って楽しむのはどうでしょうか?サーフィンでのその答えとなるのが、最近話題の「ウェーブプール」です。
ウェーブプールは金銭の対価として、フィールドをプレイヤーの制限のもとで貸し切ることができます。しかし、そこにあるのはゴルフの練習場に似た位置付けとしかならないでしょう。あくまでも、練習の場としての存在です。
サーフィンはスポーツではなく宗教に近い
そもそも、サーフィンをスポーツと捉えることに無理があるのかもしれません。サーフィンはスポーツというよりも、宗教に近い存在なのではないでしょうか。
サーフィンに一度ハマると、それまでの生活スタイルを一変させることになります。波中心の生活スタイルとなります。例えば、そのほとんどの場合で健康的な生活スタイルを送ることになります。
まずは早寝早起きにはじまり、暴飲暴食は一切なくなることでしょう。または、サーフィンのための体型の維持やパフォーマンスアップのため、ジム通いといったトレーニングを習慣化するかもしれません。
サーフィンは一般的なスポーツの範疇には収まらない「信じるものは救われる」的な、宗教にも似た独特の雰囲気や風習を持っているのかもしれません。
まとめ:サーフィンを知ってほしいと思っている
こちらのページでは、サーフィン独自の世界を独自の見解でお伝えしてみました。このページを読んで、サーフィンの変わった独自の文化や風習に、嫌な感想を持ったかもしれません。
しかし、実はサーファーの多くがサーフィンについて知ってほしいと思っています。何も、初心者やビジターを排除するためではありません。そこには、サーフィン独特の自由と素晴らしさがあるからです。
もしもあなたが、サーフィンで嫌な思いをしたり、サーフィンを始めようと思って不安な気持ちでいるのなら、それはもしかするとローカルの存在を含めた、サーフィン独自の文化や風習からくることかもしれません。
とはいえ、サーフィンは素晴らしい人生を与えてくれる、一生を共にできる素晴らしい趣味となるものです。ローカルとビジターとの隔たりがなく、ルールを守って自由に楽しくサーフィンできることを願っています。
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